
ニクソンショック・石油危機・バブル崩壊・アジア通貨危機・リーマンショック、そして今回の新型コロナと、10年に一度の経済危機が発生しています。これから先にはもっと大きな経済危機が訪れるかも知れません。
経済危機は、昔でいうと飢饉です。
下記は、小田原藩の重臣による、飢饉に関しての質問と二宮尊徳の回答です。
重臣の質問①
飢饉から守るためにどうしますか?
尊徳の回答①
礼記では、九年の蓄なきを不足と云い、三年の畜なき国は国で非ずと云っています。
歳入の四分の一を余し、それを蓄えて飢饉その他の非常時にあてるのが聖人の決めです。
僅か一年の飢饉で餓死する人が出て、それが救えないとあっては、国君(藩主)の努め、大夫(重臣)執政の任はどこにあるのです。
重臣の質問②
用意がなくて飢饉がきた場合にはどうしますか?
尊徳の回答②
人事を尽くして救助の道を考え実行します。それが駄目であったら、国君が罪を天に謝し、万人に先立って食を断って死ぬべきです。しかし、国君に死なれては困ります。
そこで、国君の補佐役のあなた方のような人(重臣)がおとどめし、そして先ず食を断って死ぬべきです。あなたが為すべきことを為さずに、万民を死なすようになった罪を謝罪するために、先ずはあなたが餓死されるのが順当です。あなたが、そう決心すれば、国君は民をあわれみ自分の身を民のために捨てることさえ厭わないでくださいます。
また国民も互いに非難をせず、すべてが自分たちの責任であることに気づけます。そうなれば皆一身を忘れて、お互いに助けあい、融通し合うようになります。
これで餓死者を無くすことができるでしょう。
全ての問題を自分事として捉えて、自ら考え、行動する尊徳。常に人間の道を歩み続けました。
万民の命を救うための使命と責任、厳しさと覚悟。
時を隔てた現代においても、我々は尊徳から勇気づけられます。