北海道と先人たちの志

北海道が我国の領土であることは、我々日本国民にとって計り知れないくらい貴重です。

特に日本国民の食糧問題において、現在もそうですが、近い将来、大きな役割を果たすことになると思っています。

しかし、その北海道が我国であることが既に当たり前になっていて、その結果、感謝が薄れてしまっていると感じます。

今一度、北海道が北海道であるのは、先人たちの志や努力の結晶であるという認識が必要です。

例えば、薩摩藩主の島津斉彬は、安政5年の建白書を江戸幕府に提出します。そこでは、南から英国が攻めてきたら、最初に戦うのは薩摩藩だと予言しています。そして戦いに備えるために、集成館事業を始め、いち早く近代化を目指しました。

その予言通りに、生麦事件、そして薩英戦争が起こったことはご存知の通りです。

また、北からはロシアが攻めてくるとも予言し、北海道(蝦夷)の人口が少ないことを問題視しました。その解決策として、寒さに強い東北の人々による北海道への入植を提案しています。

明治政府が行った屯田兵を、最南端の藩主が提案していたのです。

北海道開拓使の人材に、黒田清隆や西郷従道をはじめとした薩摩藩士が多いことからも、『島津斉彬の志』が引き継がれた様子がわかります。

また北海道には、戊辰戦争で敗れた東北諸藩が移封されています。

開拓移民として、身寄りのない極寒の地で困窮した生活をされながら、現在の北海道を作った人々です。

その開拓移民を支えた人物のひとりが、二宮尊徳の孫である二宮尊親です。二宮尊親による北海道開拓の支援は、技術的な面もさることながら、精神的な面が非常に大きかったと言われています。

北海道開拓の成功の裏には『二宮尊徳の志』があったのです。

先人たちが作った社会で生活している我々、『先人たちの志』をどのように子供たちへ伝えていくべきか?

真剣に考える必要があります。

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